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君を忘れない [物語の鑑賞]

6月も残すところ数日。

本格的な夏が近づいてまいりました。

夏になると、テレビで戦争の特集がされたり、

戦争を題材にしたドラマや映画が放送されたりすます。

「君を忘れない」という物語も、やはり特攻隊の人々を描いたものです。

君を忘れない

君を忘れない

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD


出演者の顔ぶれは豪華です。

唐沢寿明、木村拓哉、反町隆史、袴田吉彦などなど。

見事なまでにイケメンでそろえております。

今でこそ、「花男」や「ゴクセン」など、

イケメン俳優が多数出演するドラマや映画が多くなり、

またそれが常態になりつつありますが、当時としてはあまりないんじゃないでしょうか。

ただ、内容はすごく真面目です。

戦争物というと、派手な爆撃シーンなどを思い浮かべるかもしれませんが、

この物語ではほとんどなく、出撃をひかえた隊員の心の機微をメインに描いています。

行けば必ず命を落とす、でも行かなければならない。

そんな極限状態の彼らですが、出撃前には爽やかに言葉を交わしあい、友情を育みます。

死を受け入れ、出撃前のわずかな時間を精一杯楽しもうという気持ちがひしひしと伝わってきます。

もしも他国(主に日本が侵略した国)の人がこれを見ると、

「侵略戦争を美談しようとしている」と言い放つかもしれませんが、

ラストで、登場人物のひとりが特攻や戦争を否定する台詞を口にするところからして、

むしろ美談化を拒んでいるような印象を受けました。

ただ特攻の事実を映画というメディアを通じて視聴者に伝え、

そこに映画ならではのエンターテイメント性を織り交ぜて完成したのがこの映画、という気がします。

いろんな意味で興味深いです。
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